
B円と沖縄
B円(ビイーエン)は、1945年から1958年9月まで、米軍占領下の沖縄で、通貨として流通したアメリカ軍発行の軍票。
1948年から1958年までは、沖縄での唯一の正式通貨だった。
B円の正式名はB型軍票。
英語表記は、Type "B" Military Yenで、Yen B type、B-yenなどとも表記される。
アメリカが沖縄を占領した直後は、どの通貨も流通せず、取引は物々交換で行われていた。
1946年4月15日、アメリカ軍は自らが発行するB円を公式通貨とした。
その後、1946年8月5日からは若干の条件付きで新旧日本円の流通も認めた。
終戦直後の沖縄においてはこれらの通貨が混合して流通していた。
アメリカ軍が沖縄を恒久的に統治することになると、1948年7月21日に新旧日本円の流通は禁止され、B円が沖縄で流通する唯一の通貨となった。
このときは、7月16日から21日にかけて、日本円とB円の交換が行われた。
当初は 日本円1 円 = 1 B円 が公定レートであったが、1950年4月12日に日本円 3 円 = 1 B円(1ドル=120 B円)となり、B円が廃止されるまでこのレートが使われた。
B円だけを使用させることにより、米国民政府は、沖縄での通貨の流通量を統制することができた。
当時の公定レートは1ドル=360円であったが、1ドル=120B円という、日本円に比べ割高なレートがとられたのは、アメリカ軍が基地建設や駐留経費などを日本企業に支払う際に有利な条件にするためだったといわれている。
これにより日本本土から安価で資材を調達することができたかわりに、沖縄の経済は空洞化した。
また、本土系企業の進出をも遅らせる理由になった。
当時の朝日新聞によれば、1953年12月25日において実際の通貨としての価値は1 B円=1.8 日本円程度だったという。
1958年9月16日から20日にかけて、アメリカドルへの通貨切り替えが行われ、B円が完全に廃止された。
A円(A型軍票)も実在するが、これはアメリカ軍基地間での決済のみで使用され、外部への流出は禁止された。
ただし、多少は流出したものがあり、残っている。
アメリカ軍の軍票は、このほかドル建てのものも存在した。
日本本土とB円
日本でも、1945年の敗戦直後、占領軍によってB円も日本円と同じく正式な通貨とされたが、沖縄以外では占領軍は軍票を発行しなかったため、あまり流通しなかった。
ただし、当時、東京で、B円は受け取り拒否できず困った、という記述がされているので、若干は流通したと考えられている。
1948年7月15日をもって、沖縄以外ではB円の流通は廃止されたが、ほとんど流通していなかったため混乱はなかった。
沖縄における通貨の歴史
1945年6月 沖縄で初めてB円が使用される。レートは1ドル=10B円。
1945年9月、1ドル=15B円。
1946年4月15日 第一次通貨交換。B円が沖縄での公式通貨となる。
1946年8月5日 第二次通貨交換。新旧日本円との併用となる。
1947年3月 1ドル=50B円。
1948年7月16日〜21日 第三次通貨交換。日本円、旧B円の流通が禁じられ、新B円に交換される。
1950年4月12日 1ドル=120B円。以後、廃止されるまでこのレートが使われる。
1958年9月16日〜20日 第四次通貨交換。B円が廃止され、120B円を1ドルとする交換が行われる。
1972年5月15日 沖縄本土復帰。第五次通貨交換。1ドル305円とする交換が行われる。ただし、前年の1971年に実施された変動為替相場制への移行にともないドル下落が発生、この影響に対して1972年2月には通貨ストが発生するなど混乱がみられた為、1971年に確認されていた個人が保有するドル現金分については政府が補償し360円とされた。また、5月20日まではドルも併用が認められていた。